by 渡部元吾

【コルチゾールとは?】覚醒ホルモンで眠りをコントロールする方法

以前、私たちを自然な眠りへと導いてくれる睡眠ホルモン「メラトニン」の働きについてご説明しました。
→【メラトニン】に関するブログはこちら
実は、私たちが眠りから目覚めるのもホルモンの働きのおかげです。今回は覚醒ホルモン「コルチゾール」をご紹介します。

コルチゾールとは

コルチゾールは、腎臓の上にある副腎の副腎皮質から分泌される副腎皮質ホルモンで、私たちの体内で様々な働きをする非常に重要なホルモンです。

コルチゾールの働き

  1. ブドウ糖、脂肪、タンパク質の代謝をコントロール
    コルチゾールの主な働きは肝臓で糖の合成、筋肉でたんぱく質の代謝、脂肪組織で脂肪の分解をする、などです。体が必要とするエネルギー量に合わせて調整しています。
  2. 炎症や免疫を抑制
    体内で起こる
    炎症を抑え免疫を抑制します。その炎症を抑える働きから、ステロイド系抗炎症薬として病気の治療に広く使われています。
  3. ストレスホルモンとしての働き
    脳が危機やストレスを感じると「戦いに備えなさい」という信号を副腎へ送ります。すると、コルチゾールの分泌量が増え心拍数が増加、体温や血圧が上昇、脳や筋肉中の血糖値も増加して体の臨戦態勢が整います。危機から脱出しストレスに対抗するために、コルチゾールが生体防御機構を活性化させるのです。そのため、一般的には「ストレスホルモン」と呼ばれています。
  4. 睡眠中もエネルギーを補給
    コルチゾールは、食事をしない睡眠中も分泌されます。体に蓄積されているブドウ糖や脂肪などの熱源を、体のエネルギーへ変換しています。

    「寝る前に食べると太る」は本当です。
    睡眠中、人間の体内ではコルチゾールホルモンが働き、ブドウ糖や脂肪をエネルギーに変えて生命を維持しています。つまり、人間は寝ている間にダイエットをしているのです。しかし、寝る前に食事をするとコルチゾールが働かなくなり、体は消費されるはずのエネルギーを溜め込んで太ってしまいます。

  5. 体を目覚めさせる作用
    就寝中のコルチゾールの分泌量は午前3時頃から明け方にかけて増加、起床後30~60分の間大量に分泌、そのあと徐々に低下します。
    コルチゾール量が早朝に増えて、体内にある糖分がエネルギーとして使えるようになり、睡眠中食事をしない影響で起こる朝の低血糖を防いでいます。

    さらに、体温や血圧も上昇させて脳や体を活性化、私たちが爽やかに目覚める助けになっているのです。
    私たちを眠りから覚醒させてくれる体内目覚まし時計といえるでしょう。

    起床後の大量分泌は、日中に襲ってくるであろう危機やストレスに対する準備を体にさせるためです。起床時コルチゾール反応(CAR)と呼び、その人のストレス状態をよく反映するため最近注目を集めています。

睡眠不足やストレスによる影響

このように私たちにとって無くてはならないホルモンなのですが、睡眠時間が不規則だったり、不足しているとストレスホルモン「コルチゾール」の濃度が高まります。
なぜなら睡眠不足が、感情調節や遂行能力を司る前頭前野・大脳辺縁系の代謝活性を低下させ、コルチゾールの分泌量を増加させるためです。

また、現代社会に生きる私たちが感じるストレスは複雑化、長期化し脳や体の感度が鈍くなっています。自覚症状のない慢性的なストレスもコルチゾールなどのストレスホルモンを過剰に分泌させます。

コルチゾールは共に戦う同志

コルチゾールが多すぎると

コルチゾールの過剰分泌は大問題で、以下のような危険性があります。

  1. 生活習慣病の発症
    コルチゾールは、血圧や血糖値を高めるため生活習慣病や動脈硬化を引き起こします。動脈硬化が進行すると、脳梗塞や心筋梗塞といった命にかかわる病気を発症するリスクが高まります。
  2. 感染症の罹患
    コルチゾールは自律神経系や内分泌系へも悪影響を及ぼし、免疫を抑制するため感染症を引き起こす危険もあります.
  3. 記憶障害・うつ病の可能性
    コルチゾールは脳の海馬と呼ばれる大脳辺縁系の神経細胞を破壊することが知られています。海馬は、記憶や学習能力などにかかわる重要な役割りを担っています。コルチゾールが増加すると海馬が破壊され萎縮、記憶力の低下やうつ病など心の病を発症する恐れがあります。

ノンレム睡眠で分泌量をコントロール

体内のコルチゾール量が多い状態が続くと、身も心も疲れ果ててしまいます。
重大な病を発症する前に、コルチゾールの分泌を抑えなければなりません。そのためには睡眠初期のノンレム睡眠(とても深い眠り)の時間帯が非常に重要になります。
この時間はコルチゾールの分泌が抑制されているからです。ノンレム睡眠は体温や血圧の上昇、糖や脂肪、タンパク質の代謝を抑え体と脳を深く眠らせているのです。

ノンレム睡眠の重要性

ノンレム睡眠にはその他にも重要な働きがあります。ノンレム睡眠がストレスに負けない心身を生み出すといえるのです。

成長ホルモンの分泌

成長ホルモンは、子供の脳や体の成長に関わるだけでなく、大人にとっても重要です。
体の新陳代謝を高め、日中の活動で損傷した体の細胞組織を修復し疲労を回復させてくれます。

必要な記憶の定着

今日一日の出来事や学習した事を整理し、必要な記憶は定着させ嫌な記憶は消去します。この様な働きは主にレム睡眠(浅い眠り)が担っていますが、最近ではノンレム睡眠時にも行われると考えられています。

嫌な記憶はストレスとなり安定した睡眠を阻害するのみならず、ストレスホルモンであるコルチゾールを大量に分泌させ海馬を損傷します。

コルチゾールは敵か味方か

コルチゾールは、あなたを爽やかに目覚めさせてくれる味方であり、生活習慣病や記憶障害、うつ病を引き起こす敵でもあります。
あなたの体の司令塔「コルチゾール」をうまくコントロールすることが重要です。
そのために何より重要なのは、生活の基本である睡眠、規則正しくぐっすりと眠ることです。
特に睡眠初期のノンレム睡眠が重要で、ストレスに負けない心身を生み出す要といえます。

ぜひ、蒲団屋ブログ内の睡眠十箇条を参考にして快適に眠り、コルチゾールをコントロールしましょう。
気持ちよく眠れて爽やかに目覚めた時、それはホルモンの働きを感じ、ホルモンに感謝する瞬間です。コルチゾールは、あなたが現代社会を生き抜くための強い味方であり頼りになる同志なのです。

あなたが普段感じている「なんとなく眠い」「疲れが取れない」「なぜかやる気が出ない」をキレイさっぱり取除くことができたら…

どれだけ「仕事が楽しくなる」「プライベートが充実する」「体が若返る」でしょう。コルチゾールをうまくコントロールしてあなたの人生の夢を叶えましょう。あなたの睡眠に関するお悩み、お気軽に松山 蒲団屋までお問い合わせください。

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コルチゾールの問題点

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