by 渡部元吾

要注意!あなたの貴重な睡眠時間を【無限の泉】に奪われていませんか?日本人の睡眠とは

スマートフォンに奪われる睡眠時間

私たちの脳は、睡眠中に休養しているだけでなく積極的に活動しています。
重要な生理機能が営まれていて、その一つが記憶を整理し固定させることです。

眠っている時に、まぶたの下で目がキョロキョロと動いている時間があります。この時に睡眠中の人を起こすと夢を見ていることが多く、レム睡眠(REM:rapid eye movement sleep 急速眼球運動を伴った睡眠)と呼ばれています。
私たちは主にこのレム睡眠時に記憶や情報を整理し、その固定や消去を行っています。
→【レム睡眠ノンレム睡眠】の説明ブログはこちら

レム睡眠に関する学習実験を紹介します。レム睡眠を中断しなかった場合、50%中断した場合、100%中断した場合について学習したことの記憶量を調査した実験です。
結果は中断の程度に応じて記憶量が低下し、レム睡眠を100%中断した状態では記憶が半分程度になっていました。レム睡眠をとらないと学業の習熟が遅れるのです。

働き盛りの社会人にとっても同様ですね?技能の習得が遅れ、仕事の習熟度も上がらないのです。
しかし、日本が「睡眠不足大国」と呼ばれていることをご存知ですか?

世界の睡眠と日本の睡眠

OECD(経済協力開発機構)の平均睡眠時間国際比較調査(Gender Data Portal 2018)によると日本人の睡眠時間は加盟国の中で一番短く、アメリカ、フランス、イギリスなど欧米先進国と比べて1時間ほど短くなっています。

【各国の平均睡眠時間】
資料:OECD「Gender Data Portal 2018」
注:調査年は国によって異なります。対象年齢は多くの国で生産年齢

1 南アフリカ 553分
2 中国 542分
7 アメリカ 525分
8 カナダ 520分
9 ベルギー 518分
10 ギリシャ 518分
29 韓国 461分
30 日本 442分 

日本人が睡眠不足になる3つの理由

睡眠不足は、生活習慣病や精神病など様々な病気の原因となることが指摘されています。
なぜこのような結果になっているのでしょうか?働く世代の男女に共通する理由は大きく分けて3つあります。

長時間労働

OECDの労働時間国際比較調査によると、日本人の労働時間は年間では減少傾向にあるものの平日の労働時間は増えています。
週休2日制度が定着し、土日は休みですが平日の残業時間が長くなっているのです。
米国やフランスの約3倍という報告もあります。

厚生労働省「平成29年版過労死等防止対策白書」によると、労働時間が長くなるほど睡眠時間が短い傾向にあります。
企業は、長時間労働の是正などの働き方改革を通じて、従業員の睡眠改善に取り組むことが必要です。

通勤時間の長さ

通勤時間の長さも一因で、都市部において顕著に現れています。
総務省統計局が行った「平成28年 社会生活基本調査」によると平日は、通勤時間が長い都市部の人ほど睡眠時間が短くなっています。
仕事のない休日については、どの都道府県でも平日より多く寝ていますが地域差は小さくなっています。

また、通勤時間が長い人ほど休日に長く寝ていることがわかります。
通勤時間の短縮に向けた環境整備、在宅勤務の導入などが必要です。

IT機器の使用時間の増加

もう1つの大きな要因は、IT機器の使用時間が格段に増えたことです。
東京都の調査によると、睡眠不足を感じている人の約過半数が思い当たる原因として「スマホとパソコン」を挙げています。特にスマホは起きている間じゅう手離さず、「近くにないと気になって精神的に落ち着かない」という声もあるほどです。深夜までスマホとパソコンを見ている方が多くなっているのです。

眠る時間が削られるだけではありません。
IT機器の液晶画面から発せられるブルーライトは、あなたを自然な眠りへと導く睡眠ホルモン「メラトニン」の働きを妨げます。
また、眠る前1~2時間の間にSNSやメールなどネット上でコミュニケーションをすれば、感情が揺り動かされ覚醒度が高まり眠りの質が低下します。
→睡眠ホルモン【メラトニン】の説明はこちら

YouTube、Instagram、Netflixなどは「無限の泉」と呼ばれています。次から次にコンテンツを提供してくれて観ていてとても楽しいですよね?
しかし結果としてあなたの睡眠時間、いえ、それどころか貴重な限られた大切な時間をどんどん奪ってしまっているのです。「無限の泉」にくれぐれもご注意ください。

突然ですが、日本の昔話三年寝太郎をご紹介します。

三年寝太郎あらすじ

全国には様々な寝太郎の話が伝えられていますが、山口県の逸話は次のようなものです。

毎年のように水不足に悩む貧しい農村の青年寝太郎は、度重なる干ばつのせいで母親が亡くなってから3年間寝続けました。
ある日むっくり起き上がると村長に頼み込み、村人総出で大量のわらじを作ってもらいました。

そして、そのわらじを船に積んで佐渡に向かい、金山で働く人たちのわらじを無料で新しいものに交換してあげたのです。
金山の人たちは大喜び、あっという間に船の中は古いわらじで一杯になりました。

たくさんの汚れたわらじを持ち帰った寝太郎を見て、村人たちは何の役に立つのかと不思議がっていました。しかし、持ち帰ったわらじを桶の水で洗うと桶の底からキラキラ輝く金が取れたのです。
金鉱山で働く人たちの古いわらじにはたくさん金が付着していたのです。
寝太郎はわらじで集めた金で農業用の水路を整備し以後村は、水不足に苦しむことなく豊かな村になったというお話です。

寝太郎は、ただ3年間寝ていたのではなく干ばつに苦しむ村を救う方策について寝ながら色々と試作を巡らしていたのです。

労働・通勤・スマホ時間削減の重要性

厚生労働省の平成29年国民健康栄養調査報告によると、働き盛りの四十代、五十代のうち約85%の人が理想の7時間睡眠が確保できていません。さらに約50%の方は6時間睡眠さえも確保できていないのです。そして1960年以降、日本人の平日の睡眠時間は減り続け約50分間も短くなっています。
→【6時間睡眠の危険性】の説明ブログはこちら

労働時間、通勤時間、スマホ時間、これらに個々の仕事や家庭の事情も加わって睡眠時間が圧迫され厳しい状況が生まれているのです。
睡眠改善のためには、労働時間の改革、職場でのストレス軽減、通勤時間の短縮、業務量の平準化など多岐にわたる取り組みが必要です。
従業員の睡眠改善に取り組むことで生産性が向上し、睡眠不足を原因とした病気の予防により業績の向上が見込めるのです。

睡眠時間の短さが就労意欲の現れ、勤勉な日本人のお手本とされた時代は終わりました。適切な睡眠時間を確保すること、それが会社のため日本社会のためになり、あなたの人生を有意義なものにするのです。
徹夜で仕事をしても、勉強をしても技能の習熟や記憶の定着は望めず、ましてや三年寝太郎のような斬新なアイデアなど浮かぶ訳がありません。
蒲団屋お勧めの「睡眠十箇条」に留意してしっかりと眠ることが重要です。

色々試したけれどなかなか眠れないという方、ぜひお気軽に蒲団屋の「睡眠環境アドバイザー」にご相談ください。持てる知識を総動員しあなたの眠りをサポートして参ります。
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三年眠って村を救うアイデアが浮かんだ寝太郎

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