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by 渡部元吾

店づくりとまちづくりと杉(2)

たまたま杉ーー蒲団屋の歴史

寝具店を親から継ぎ、昭和63年に「夢・空・生活提案 蒲団屋」と店名を改めて大きく店舗改装、品揃えを変えました。当時はバブル期で、メーカーは大店舗重視で我々小店舗切り捨て的な感でした(美しき日本の心の崩壊の始まりであったのかな)。
小店舗の生き残りとして、寝具業界に「ファッション」「お洒落」「コーディネイト」が足りないコトに気づき、親からの顧客や問屋さんと決別し、自らお洒落を楽しみたい思いで、素朴で安くても素材感(木/杉、竹/すす竹、鉄/足場、石/裏庭の400年経た石垣、土/漆喰)を生かせる店舗デザインに変え、「生活を潤わせてくれるモノすべてが蒲団屋の商品です」を掲げ、蒲団屋なのに何故かふとんが一枚も売っていない品揃えに変えました。
この頃、よくコンサルさん達に店名に「屋」を付けるのは戦後に廃れた屋号で、今は「C I(コーポレィション・アイデンティティ)」による店名だとよく言われました。横文字が氾濫した時代で、私は、小さな蒲団屋の3代目として単純に「P I(パーソナル・アイデンティティ)」で「蒲団屋」とし、名刺の肩書きも「大番頭」にしたんです、と言い訳を言ったものです。
また、何が受けたのか解りませんが、N H Kテレビの全国版で取り上げられたりもしました。この反響は大きかった。東京で新規メーカーに行くと、それまではあやしげに見られていましたが、随分対応が変わりました。今では店名に「屋」を付けるのがトレンドになっているようですね。

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