低反発・高反発マットは本当に睡眠に適しているの?専門家が考える最適な敷寝具

枕のことばかりを気にするお客様

蒲団屋にオーダーメイド枕を購入するために来店されるお客様は、本当に体や心の調子が悪そうです。
自分がどんなに辛い日々を過ごしているかを、切々と訴える方が多いです。そういう方はたいていオーダーメイド枕は何個も持っていて、蒲団屋のオーダーメイド枕の高さ調整に関してとても神経質です。
蒲団屋のオーダーメイド枕は首・頭・両横の4つの部屋に分かれているのですが、
「首のところを5g 減らしてください。」
「頭のところを5g増やしてみてください。」
「やっぱり元に戻してください。」
等々、お客様の体型に合わせて枕の高さを調整しても、なんだか納得できないご様子です。

枕のフィット感は、以下の4点のような些細なことで変わってしまいます。

  • お客様がご使用のパジャマの生地の厚み
  • 襟があるかないかなどのパジャマのデザイン
  • 日々の体重の変化
  • 首や肩の筋肉のこり具合

その他にも、中身の素材の肌触りの好みも加齢による体の衰えとともに変わってしまいます。
ですから、あまりにも枕の高さの調整に対して神経質になりすぎることは、おススメできません。

本当に神経質にこだわるべきなのは敷寝具

枕の高さ調整にいつまでも悩んでいるお客様に、

「どのような敷寝具を使っていらっしゃいますか?」
「敷寝具の硬さはどれぐらいですか?」
「横向きではなく仰向きに寝ることができていますか?」

とお尋ねしても、

「あまり気にしていなかったので….。」
「よく分かりません。」

とおっしゃる方が多いのです。

健康な人生を送るためには、1日の3分の1を締める睡眠時間が大切です。
睡眠中にしっかりと心と体の疲れを取り除くことが重要です。
そして、質の高い睡眠を手に入れるためには、正しい寝姿勢を保つ敷寝具の役割はとても大きいのです。

枕ことばかりを気にしていても、硬すぎたり、柔らかすぎたり、寝返りを妨げたりする敷寝具を使っていては安眠することはできません。

どのような敷寝具が良いのか

人間の体は、背骨と骨盤を大黒柱とする骨の操り人形のようなもので、それぞれの骨をつなぐ筋肉が、絶えず引っ張り合いをすることによって、まっすぐに立つことができています。

しかし、眠りにつくと筋肉はだらりと力が抜けた状態になるため、睡眠中は自分の力で背骨や骨盤を支えきれなくなります。
そのため、体が不自然な姿勢にならないように敷寝具で支える必要があるのです。
硬すぎる敷寝具の上に寝ると、特に重い背中とお尻の部分に体重が集中し、寝具と体の接触面の筋肉が緊張します。
お尻が沈み込まないで持ち上がるために、背中や腰にも痛みが生じて寝にくくなります。
また、柔らかすぎる敷寝具の上に寝ると、重いお尻が沈み込みすぎることで、寝姿勢は不自然になります。

腰の筋肉は沈み込むお尻を支えようとして、たえず筋力が働き過度の緊張を強いられます。
その結果目覚めた時に疲労感が残ってしまうのです。

筋肉は緊張すると収縮した状態になり、毛細血管を圧迫します。すると、血行が悪くなり細胞に酸素や栄養分を運ぶ働きが鈍り、痛みを感じるのです 。

つまり最良の敷寝具とは、

  • 筋肉がゆるむことで支えられなくなった背骨や骨盤をしっかりと支えて、寝姿勢を正しく保つことができる適度な硬さであること
  • 寝具と接触する筋肉が充分にリラックスすることができる、ある程度の柔らかさを持っていること

この硬さと柔らかさという相反する二つの要素が敷寝具には必要なのです。

現在販売されているいろいろな敷寝具

次から次へと、様々な敷寝具が新商品として開発、販売されています。
そして、いろいろなメディアを使って、有名人を起用した宣伝が繰り広げられています。

お客様からよく質問を受ける、代表的な敷寝具についてご説明いたします。

低反発のマットとは

テンピュールやトゥルースリーパーなどが代表的な商品です。アメリカのNASAが宇宙飛行士のために開発したもので、衝撃を吸収分散する能力に優れています。

手で低反発マットを押さえた時にしばらくは手形が残り、その後時間をかけて手形がゆっくりと消えていく、という特徴があります。
消費者が、その特徴を「気持ち良さそう」と判断したため、爆発的にヒットしました。

しかし欠点がたくさんあります。
まず1つ目は、寝返りが打ちにくいことです。
人間の体の重い部分、背中とお尻の部分がちゃんと凹んでくれて、重さを吸収してくれるという点は優れています。
しかし、柔らかすぎて反発がなく寝返りを打つために背中とお尻を凹んだ穴から引っ張り出すのに苦労します。

高齢の方や筋肉の少ない方などは、寝返りができなくてジタバタしてしまうほどです。
若い方や元気な方は筋力があるため、なんとか寝返りはできると思いますが、その際筋力を消費してしまい、朝起きた時に寝疲れを感じます。

2つ目に低反発のマットは体のラインに沿って密着して凹みます。ですから、体から出る汗の吸湿発散が著しく妨げられます。

低反発マットの素材であるウレタンは、化学製品ですから吸湿性がありません。
夏場は特に蒸れ感が大きくて、寝苦しくなりがちです。

3つ目に低反発ウレタンは温度で硬さが変化するために、冬は硬く夏は柔らかくなります。
寝心地の面、耐久性の面において芳しくありません。

高反発のマットとは

マニフレックスシュララフィアなどが代表的な商品です。むあつ布団・整圧布団などの一般的なウレタンの敷布団は、すべて高反発マットに分類されます。

低反発マットに比べると、マット表面が硬く反発があるため寝返りは楽にできます。

これは、硬い床の上に置かれたボールが少しの力を加えただけで簡単に転がる原理と一緒です。

しかし、柔らかさが足りないため仰向きに寝た時に、背中とお尻の部分の凹みが足りないため、腰が浮いてしまい腰と敷寝具の間に隙間ができてしまいます。
そして、体がこの隙間を負担に感じて、横を向いて寝るようになってしまいます。

寝返りは、日中の活動で生じた骨格の歪みの矯正や、筋肉の血行不良を防ぐために必要ですが、横寝になってしまっては、狭い面積で体重を支えることになってしまうわけですから、体にとって大きな負担となります。

次にへたりの問題です。この問題は、低反発マット・高反発マットなどのウレタン製品全般に言えることです。

綿の敷布団などは、へたると煎餅布団と言われるようにペタンコになってしまうので、へたってしまったことがよくわかります。
しかしウレタン製の敷寝具は、永年使っても見た目の厚みは変わりませんが、人が寝ると実はペタンコになっている、ということがよくあります。
このへたっているという事実が分かりにくいという点も問題であると考えます。

ウレタンの敷き寝具をご使用の方は、「畳や床の硬さを感じないか?」「仰向きで寝ることができているか?」を、ぜひ確認してみてください 。

エアーウィーヴやブレスエアー

プラスチックのひも状の素材を、網状に固めて作った敷寝具で、今までに見たことがない素材・形状の敷寝具であるため、目新しさや販売戦略の上手さもありヒットしています。

このマットも寝心地は高反発マットの仲間です。

マットの上に人が寝ても、体の下に空気の層があるというのが大きな特徴ですから、空気の層が潰れてしまわないようにかなり硬くつくられています。
ですから通気性には優れますが、快適な睡眠のためには硬すぎます。寝心地は良いとはいえません。

宙に浮いているような寝心地の敷き寝具

もう一度、最良の敷き寝具の特徴をまとめると以下のようになります。

  1. 深く眠ることによって筋肉が緩んでしまっても、しっかり背骨や骨盤を支えて正しい寝姿勢を作ってくれること
  2. 敷寝具と接触している体の部分が緊張しないように、体重を分散して皮膚・血管・リンパ腺などの働きを妨げないこと

つまり敷寝具には、体に痛みを与えないように体圧を吸収してくれる柔らかさと、なおかつ、人間の重い体をしっかり下から支え体圧を分散してくれる硬さ、という相反する二つの要素が必要なのです。

この柔らかさと硬さの両方を兼ね備えたもの、それが低反発でも高反発でもない高弾力のラテックスマットです。

ラテックスマットとは天然ゴムの樹液、これは見た目が真っ白で牛乳のように見えます。
この樹液を何層ものフィルターで時間をかけて濾過(ろか)して液質を均一にし、大きな金型に流し込んで熱と蒸気で発泡させながら焼き上げて作ります。

ゴム素材であるため、しっかりとした柔らかさがあるのにへたりにくく、柔らかな寝心地であるのに、人間の体をしっかり支えて正しい寝姿勢を作ってくれる、という硬さを持っています。
腰が痛い・首や肩が凝っている・背中に違和感がある・手足にしびれがある、そんな症状のある方には特におすすめです。

ただし、ラテックスマットにも弱点はあります。
真夏の涼しさについてはやはり、綿・麻・シルクなどの天然素材100%の敷き寝具には、通気性の面で劣ります。

しかし、ラテックスを包んでいるマットレスカバーには、綿わたがシングルサイズで 2キロも入っています。
低反発・高反発と言われているウレタン素材や、ポリエステルわた100%の敷き寝具よりは、真夏でも随分涼しく感じます。

夏場の暑さ対策としては、エアコンをご使用になるか、綿や麻100%の天然素材の敷きパットをラテックスマットに組み合わせて、ご使用になることをお勧めいたします。

蒲団屋では、子供さんからお年寄り、元気な方から体調のことでお悩みの方まで、全ての人に敷寝具は天然ゴム100%のラテックスマットをオススメしております。

眠りに関して悩みを持っている方、心の不調や体の不調で辛い思いをしている方、ぜひお気軽に蒲団屋にご相談ください。
お客様と一緒に真剣に悩み、考えて、問題を少しでも解決することができたら…と、蒲団屋はいつも考えております。
→ラテックスマットの商品ページはこちら

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