by 渡部元吾

えっ!「赤ちゃんが泣いたら抱っこ」はもう古い?睡眠科学に基づく夜泣きらくらく改善術

赤ちゃんの夜泣き改善策

結婚はしない、できない、出産は望まないと考える若い方が増え少子高齢化が進む中、子宝に恵まれ小さな赤ちゃんのお世話に奔走するパパとママ、本当にご苦労さまです。

赤ちゃんは大なり小なり夜泣きしますが、あなたの赤ちゃんはいかがですか?
連日連夜続く夜泣きのためにノイローゼ気味、という方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんなあなたの気持ちが少しでも楽になることを願って赤ちゃんの夜泣き改善策をお届けします。

赤ちゃんの夜泣きとは

多くの育児書では、

  • ミルクが欲しい
  • オムツが汚れている
  • 痛い・かゆい・暑い・寒いなど不快な症状

といった特定の理由がないにも関わらず毎晩のように夜中に泣く状態、と説明されています。
生後半年頃から始まり、数日や数週間で終わることもあれば2、3歳まで続くケースもあります。
家族や小児科医、自治体の育児相談窓口にアドバイスを求めても、

  • 赤ちゃんは泣くのが仕事ですから
  • 今はそういう時期なのです、もうちょっとの辛抱ですよ

といった対応しかしてくれません。
しかし、ただ我慢するだけではストレスが溜まる一方で少しも問題の解決に繋がりません。
産後うつ、育児ノイローゼ、果ては乳幼児虐待などの悲惨な状況を招く前に、少し立ち止まって落ち着いて対策を考えましょう。
赤ちゃんの夜泣きを改善するためには、まず赤ちゃんの睡眠リズムについて知らなくてはなりません。

赤ちゃんの睡眠リズムは複雑

赤ちゃんは一日24時間の大半を眠って過ごすため、一般的にはいつ寝ていつ起きても構わないと考えられがちです。

【赤ちゃんの平均的な睡眠時間】

月齢 睡眠時間
0~3カ月児 14~17時間
4カ月~12カ月未満 12~15時間
1歳~2歳 11~14時間

昔は大人も子どもも早寝早起きが当たり前だったため問題なかったのですが、現代社会ではこのような考えのまま育児をすると、赤ちゃんの睡眠リズムに悪い影響を与えてしまいます。

私たち人間は、体の中にある「体内時計」によって、寝たり起きたりを繰り返しています。
→【体内時計】に関するブログはこちら
このリズムがなるべく一定であることが、睡眠の質を高く保つために非常に重要です。

この体内時計は光によって強くコントロールされています。「朝、同じ時間に明るくなり夜、同じ時間に暗くなる」これを規則正しく毎日繰り返すと、質の良い睡眠がとれるのです。

そして、赤ちゃんの体内時計は発達の途上にあり昼夜の区別がついていません。そのため1日中眠る、起きるを繰り返すのです。
規則正しく明るい朝と暗い夜の生活を繰り返すことで赤ちゃんの体内時計は成熟し、その結果夜にまとまって眠ることができるようになるのです。

しかし情報過多の現代社会においては、若いパパ・ママを中心に夜更かし型の生活が当たり前になっています。
赤ちゃんが親と一緒に遅い時間まで明るいリビングにいることが多く、昼なのか夜なのかわかりにくい生活になっています。
そして、赤ちゃんの体内時計の成熟が遅れ睡眠リズムが整いにくくなり、

寝つきの悪さ→眠りの質の低下→激しい夜泣き

に悩まされることが多くなるのです。赤ちゃんの規則正しい睡眠リズムを整えることが重要です。

赤ちゃんの眠りの特徴を知る

次に赤ちゃんの眠りの特徴を見てみましょう。

赤ちゃんの睡眠曲線

私たちの眠りには体の眠りである夢を見る「レム睡眠」と、脳の眠りである「ノンレム睡眠」があり一定の状態で眠っているわけではありません。
→【レム睡眠・ノンレム睡眠】に関するブログはこちら

大人の場合、80〜120分周期でレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返します。睡眠の約80%はノンレム睡眠であり、深く眠ることで多少の物音や不快な感覚が生じても目を覚まさず睡眠時間が確保できるようになっています。

一方、赤ちゃんのレム睡眠とノンレム睡眠は大人よりも短く40〜50分周期で繰り返され、割合は約半分ずつであることがわかっています。
これは日中に刺激を受けた情報を整理するために、脳が活動しているレム睡眠が長く必要であるからと考えられます。
大人と比べて赤ちゃんはレム睡眠の回数と時間が多いのです。

レム睡眠時には眠りから覚めやすい

レム睡眠中は大人でも夢を見やすく起きてしまうことがよくあります。
赤ちゃんは特に、レム睡眠中に脳が活発に活動しているため声をあげる、体を動かすことが多くあります。
これは、ママに何かを求めて起きているのではなくただ寝ぼけているだけなのです。

浅いノンレム睡眠時に起きて安全を確認する

また、ノンレム睡眠は大きく浅い眠りと深い眠りに分けられます。
この浅いノンレム睡眠時に、赤ちゃんが一度起きて周りを確認するような動作をすることがあります。
これは、眠っている時に何か危険があったら対応するための生物学的な命を守る仕組みです。
睡眠中は無防備で危険と隣り合わせであるため、赤ちゃんは体を動かして安全を確認するのです。

最新睡眠科学に基づく赤ちゃんの夜泣き改善法

赤ちゃんの夜泣きはただ我慢する辛抱するだけのものではありません。
最新の睡眠情報に基づいた改善策をご紹介します。

赤ちゃんの睡眠リズムを整えましょう

朝は規則正しく7時までに起こす

私たちの体内時計は、朝の光を浴びることで誤差が調整され正確な時を刻み始めます。赤ちゃんの未熟な体内時計も同様に調整されながら成熟していきます。
赤ちゃんの睡眠と覚醒のリズムを整えるために、朝は7時までに起こす習慣をつけましょう。そして、目が覚めたら朝の光を部屋にとりいれてください。

日中は活動的に過ごす

散歩に行く、外で遊ばせるなど日中はできるだけ活動的に過ごしましょう。大人も同様ですが、日中にたくさん活動して体力を使うと疲れて眠りやすくなります。
また、昼寝の長さや時間帯も調整してください。日中にあまり昼寝をしすぎると、夜寝付きが悪くなってしまいます。

睡眠へのルーティーンは一定に

赤ちゃんが自然に眠りにつけるよう「入眠ルーティーン」を決めましょう。
毎日決まった時間に

  • 夕方ミルクを飲ませる
  • 寝る1時間前にお風呂に入れる
  • ベビーマッサージをする
  • リビンクから寝室へ移動させる
  • ベッドに寝かせたら部屋を暗く静かにする

といったように毎日同じ方法で寝かしつけをしましょう。寝かしつけ方法をルーティーン化することで赤ちゃんは「そろそろ寝る時間だな」と体で覚えていきます。

赤ちゃんのぐずりに敏感に反応しない

赤ちゃんが夢を見ているレム睡眠時や、周りの安全を確認している浅いノンレム睡眠時になるべく起こさないでください。

赤ちゃんが声をあげる、動くなどした時に「何かを求めている」と勘違いして授乳やオムツ替えをしてしまうと、不必要に赤ちゃんの眠りを中断することになります。
産後の母親はホルモンバランスの関係で眠りが浅くなっていて、赤ちゃんのちょっとしたぐずりにも敏感に反応してしまいます。
しかし、「授乳やオムツ替えの時間ではないからちょっと寝ぼけているだけかな?」と思ったら、赤ちゃんに触らずそっと見守ってあげてください。すると、自分で泣き止んでまた気持ちよく眠り始めることがあるでしょう。

赤ちゃんが「泣いたらとにかく抱っこ」ではなく、なるべく手をかけない寝かしつけ方法を習慣にすることが大切です。
特に、赤ちゃんが周りの安全を確認している時に抱っこすると、赤ちゃんにとって抱っこが安全確認の方法として習慣化しかねません。
なるべく赤ちゃんが自主的に眠れる、赤ちゃん自身の眠り力を育てるようにしましょう。

ママの接し方と夜泣きは無関係

夜泣きは永く原因不明とされていたため、ママの育て方や精神状態に問題があるかのような

  • 愛情が不足している
  • 昼間のスキンシップが足りない

などという説がありますが、これにはまったく根拠がありません。
赤ちゃんの夜泣きを自分のせいにしたり思うようにいかないと落ち込まないで、上記の夜泣き改善策を試し辛い時は周りにもサポートを求めてください。
あなたの気持ちを分かってくれる人は必ずいます。

まとめ

これまで「理由がわからない」とされてきた赤ちゃんの夜泣きですが、赤ちゃんなりの理由があって泣いているのです。
赤ちゃんが夜中に泣いているからといって、必ずしも抱っこを求めているわけではありません。
「泣いたらすぐに抱っこ」にとらわれず一度立ち止まって、赤ちゃん自身の眠る様子を見守ってあげてください。
赤ちゃんの睡眠リズムや眠りの特徴に関する知識を得て行動に移すことで、ひどい夜泣きを予防したり改善したりできるのです。

赤ちゃんの脳は未発達で睡眠もまだ未完成です。今から成熟した睡眠リズムを育てていくのです。
この期間に不規則な睡眠時間、慢性的な睡眠不足があるといったいどのような睡眠リズムを持った子どもに成長するでしょう?

  • 朝起きられないから不登校
  • 集中力が続かない
  • 忍耐力がない切れやすい

など子供の責任ではないのに問題児とされかねません。

  • 24時間動き続ける社会
  • 目まぐるしく変わるビジネス環境
  • 増え続けるパワーハラスメント

に対応できる大人に成長できるでしょうか?

「愛情を育む」とは赤ちゃんに対する夜中の対応の仕方だけで決まるものではなく、生活全体を通して形成されるものです。
夜中にママがそんなに敏感に反応しなくても、日中に赤ちゃんの要求を汲み取って十分な関わりを持つことが大切です。
「夜泣きしたらすぐに抱っこ」によってママが睡眠不足や情緒不安定になり日中の関わりの質が低下するとしたら、それこそ本末転倒になってしまいます。

まずママがたっぷり眠って心身ともに健康であること、それこそが赤ちゃんの夜泣きを改善し健全に育てるための必須要件です。

泣いたら抱っこは間違い

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