by 渡部元吾

買い替えはもったいない!?羽毛布団のリフォームという選択肢

充てん羽毛完全洗浄のご説明

今では掛布団といえば羽毛布団が主流で、一世帯あたりの普及率は100%を超えています。

そして側生地が破れた、汚れてしまった、ヘタってきたなどの理由で羽毛布団を処分し買い換えを検討する方も多くなっています。
でも、ちょっと待ってください。あなたが処分しようとしている羽毛布団の中身、充てん羽毛はまだまだ使えます。

あなたの羽毛布団を再利用しましょう。

まだまだ知らない方が多いのですが、実は羽毛布団はリフォームできるのです。中身を完全洗浄して再利用すると質の良い羽毛布団を安く仕立てることができます♪
今回は羽毛布団のリフォーム工程についてご説明します。

羽毛布団のリフォーム工程

充てん羽毛の品質を5段階評価

お預かりした布団から羽毛を少し取り出し透明筒型のケース(ダウンチェッカー)に入れます。ダウンチェッカーを振る、ひっくり返すなどして品質の高い順にA・B・C・D・Eの5段階で評価し、最適な処理方法を判断します。

評価の基準はダウンが含まれる割合・羽毛の風合い(立体感、ヘタり具合、ベトつき感、新毛と比較した落ちる速度)・ピリング(玉のように絡まった)ダウンの有無・ファイバー(ちぎれた毛)の有無です。

基本的にリフォームできない羽毛はないのですが、D・Eランクの羽毛は完全に洗浄しても羽毛パワーの回復が見込めません。買い換えた方がお得になる場合はリフォームをお勧めしません。

5段階評価の基準は以下のようになります。

充てん羽毛の質を5段階評価

【ダウンが含まれる割合】

ダウン率 90%以上 80%以上 70%以上 50%以上 50%未満
点数 5 3 2 1 0

【羽毛の風合い:立体感・ヘタり具合・ベトつき感・落ちる速度】

風合い
  • ふっくらしている
  • ヘタっていない
  • 新毛と変わらない
  • ベト付きがない
  • ほぼヘタっていない
  • 新毛より少し早い
  • ベト付いている
  • 少しヘタっている
  • 早く落ちる
  • ベト付きが目立つ
  • ヘタっている
  • すぐに落ちる
  • 羽毛がぺちゃんこ
  • 完全にヘタっている
  • 塊でガサッと落ちる
点数 5 4 2 1 0

【玉のように絡まったピリングダウンの有無】

ピリングの有無 ほぼ無い 少しある 目立つ 非常に目立つ ほぼ絡まっている
点数 5 3 2 1 0

【ちぎれたファイバーの有無】

ファイバーの有無 ほぼ無い 少しある 目立つ 多い 非常に多い
点数 5 3 2 1 0

【最終的な総合評価】

ランク A B C D E
合計点数 20〜19 18〜16 15〜10 9〜4 3以下
お勧めのケア 丸洗い リフォーム リフォーム 買い換え 買い換え 

羽毛布団の解体

羽毛布団側生地内部のマチを解体して中の羽毛を吸い取ります。
その際に破損した生地や糸くずが混入しないよう注意を払います。

破れた羽毛布団から羽毛が掛けカバー内に吹き出している場合は、カバーを掛けたまま蒲団屋に持ち込んでください。解体時にカバー内部の羽毛も全部吸い取って回収するので無駄にはなりません。

羽毛布団の解体

除じん工程

取り出した羽毛を除じん機にかけ、表面に付着している羽毛のファイバー、きょう雑物(ちりやホコリ)を除去します。
羽毛の洗浄効果をUPさせるためです。

羽毛の完全洗浄前と後の二回施します。
回転が止まった除じん機内部の床にはかなりの量のゴミが溜まっています。

除じん機でファイバーやきょう雑物を除去

羽毛専用洗濯機で温水洗浄

40〜45℃の温水と専用洗剤で羽毛の皮脂や汚れを洗い流します。
取り出した羽毛を直接洗い硬く縮んだ一粒一粒のダウンボール(タンポポのわた毛に似た球状の羽毛)の中心部にまで温水を浸透させてダウンを広げます。
そして、広がったダウンの奥の汚れまでしっかりと洗い落とします。

少量の羽毛用洗剤を使用することで温水が羽毛に浸透し、しっかり汚れを落とすことができます。

洗剤は天然のパーム油を原料にした中性洗剤です。

羽毛専用洗濯機で温水洗浄

乾燥工程

羽毛の乾燥はなるべく短時間に終わらせます。
長時間乾燥させると羽毛の表面が傷み、完全洗浄で広がった羽毛がかくはん時に再び団子状に固まってしまいます。
短時間で乾燥させると羽毛のボリュームが蘇ります。外部温度が150°Cまで上がる乾燥機を使用し短時間でダウンの公定水分率が基準値以下になるように乾燥させます。

また、庫内温度を80°C以上に保ち羽毛の殺菌も行います。優れた機能を持ち少量でも個別に対応できる特別仕様の乾燥機を設置し、羽毛のリフォームに適した短時間乾燥を実現しています。

特別仕様の乾燥機

冷却除塵と羽毛の収納

羽毛乾燥後、温かくなりふんわりと広がったダウンを除じん、冷却して常温に戻します。

温まったダウンを冷却しながらダウンの中心部にある水分をさらに発散させ、しっかりと乾燥させます。
ダウンが広がり、奥に入り込んでいたファイバーやきょう雑物が取り除かれます。ふんわりと仕上がった羽毛を収納ボックスに入れて取り出します。

冷却除塵

補充羽毛

充てん羽毛を完全洗浄するとシングルサイズで300g、ダブルサイズで400g程度目減りします。
基本的に5種類の足し羽毛の中から同等以上の羽毛を専用のミキシングマシーンで均等になるよう混ぜ合わせます。

5種類の足し羽毛

縫製

高品質の羽毛用生地を使用、提携先の羽毛工場で丁寧に国内縫製しています。
また、以下のようなご要望にも対応します。

  • ダブルサイズ羽毛ふとんをシングルサイズに変更
  • 冬用羽毛ふとんを夏用肌掛け羽毛布団2枚に変更
  • 長身用サイズに変更
  • 余った羽毛で枕やクッションを作る

など臨機応変にお仕立てできます。

高品質の羽毛用生地を使用して丁寧に国内縫製

羽毛充填

羽毛の量を測りながら新調した側生地に一マスずつ丁寧に羽毛を充てんして羽毛布団の完成です。

羽毛充填

検針検品確認

羽毛の充てん口を縫い合わせ検針機で金属類混入の検査を行います。
完成した羽毛布団を一枚一枚検品、指示書と出来上がり商品に相違がないか確認して終了です。

検針機で金属類混入の検査

まとめ

世界的に水鳥の飼育量が減り羽毛原料の供給量が減少、羽毛価格が高騰しています。
要因は以下のようになります。

  • 食生活の変化によりアヒルやガチョウの肉、フォアグラを食べなくなってきた(羽毛は食肉の副産物です)
  • 水鳥農場は3K(汚い・危険・きつい)職種のため後継者、人手不足による廃業が多い
  • 飼育肥料の価格や人件費の高騰
  • 鳥インフルエンザのリスクにより農家の飼育意欲が減少
  • 中国や東欧諸国の生活水準が上がり羽毛の生産国から消費国に変化した
  • 一時的な流行商品だったダウンジャケットが安定需要商品になった

そのため、全体的に羽毛原料の品質が低下しており、新しく購入する羽毛布団よりもあなたが処分予定の古い羽毛布団の方が質が高い可能性があります。羽毛を完全洗浄してもう一回使用することをお勧めします。

永年使用して羽毛のヘタり、保温性の低下、側生地の汚れなどが気になる方、お気軽に四国松山の蒲団屋にご相談ください。
個別管理が確実に行われている提携羽毛工場でリフォームしているため他の羽毛と混じることはありません。

リフォーム時期の目安は購入後8〜10年です。羽毛の品質診断だけも承っています。あなたの羽毛布団の中身を一緒に見てみませんか?
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