by 渡部元吾
店づくりとまちづくりと杉ーー(6)
本物お宝を生かす(2)
この、景観整備は当商店街の85%の店舗が参加し(公共事業としては異例の参加率)、店舗外装の改修を行いました。最近の流れではあると思いますが、設計者、建築業社が杉についてクライアントに言うのは、「雨が降って濡れると歪む。腐る。変色する。だから、アルミ(新建材)の方が長持ちします、便利です」ということです。何か一抹の不安を感じます。こんなんで良いのだろうか、心まで無機質になり、将来の子供達に与える影響、環境は?と考えさせられました。道路景観整備に関しても9回裏の逆転劇みたいなもので、天からクモの糸がたれ、神様のように小野寺さん、南雲さんが舞い降りてきてくれました(ある方々の頑張りによってです)。そして、単なる車・人が通る道路ではない、このまちのテーマである「和・なごみ」のある「通り」になりました。本物の煉瓦、本物の御影石、骨材を生かし色合いを考えた舗装、素晴らしいバランスの組み合わせ、また、鋳鉄での手間をかけたボラード、昔の提灯をイメージした現代の提灯をデザインした街路灯、あかりの演出……、お陰で日本一の街路になりました。お二人以外にも私の知らない沢山の人々が関わり、 ロープウェイ 街に、こだわり、思い、を持って大きな作品が完成したと思います。意を尽くせませんが、すべての人にあらためて真摯に感謝申し上げます。
少しだけ、「ナグモの世界」に触れたくて、店舗の杉張りの余りがあったのでそれを利用して舗道上にイスをつくりました。すわって尻肌やさしい杉の感触を味わっています。
「杉」ええぞ、なもし(伊予弁)。
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