by 渡部元吾

まだ知らないの?寝具専門店が注目する、とっておきの熟睡〇〇法 魔法のルーティーンとは!

習慣としている自分の就寝時間が近づくと、脳は目覚めた状態から徐々にリラックスした状態に移り、やがて眠りに入っていきます。
スムーズに睡眠に移行するためには、このような就寝前の脳の変化を妨げないような、自分に合ったリラックス法を工夫することが大切です。
例えば、入浴は、ぬるめと感じる湯温で適度な時間ゆったりと湯船に浸かるとか、就寝前は何もしない時間を一時間程度つくることなどが有効です。
でも実際は、寝る間際までバタバタと用事や仕事をしている方がほとんどではないでしょうか?

このような脳の覚醒水準が高く興奮した状態では、寝床に入ったとしても、私たちはスムーズに眠りにつくことはできません。
しかし、布団に入ったらなるべく短い時間で深く眠りたいものですね。
寝床に入ってから短い時間でリラックスして眠りにつくことができる方法として、蒲団屋は自律訓練法をオススメいたします。

自分に合ったリラックス方法が、私たちの心と体を眠りへと導いてくれるのです。

自律訓練法(Autogenic training)の歴史

臨床的催眠研究をしていたドイツの大脳生理学者のフォクトは、僧侶などが自力で瞑想状態に入っている時の体の生理現象に着目して、調査をしました。
そして、得られたデータを調べたところすべての瞑想者に共通して、頭が涼しくなったり、脈拍が緩やかになったり、という現象が現れることを確認しました。
フォクトの研究に刺激を受けたドイツの精神科医シュルツ(Schultz,J.H.)は、1905年に、催眠状態の人達の体の生理現象の研究をスタートし、人が催眠状態に入ると2種類の身体的な感覚を、ほぼ全員が覚えることを突き止めました 。

1つ目は「手足が重い」という感覚であり、
2つ目は「手足が暖かい」という感覚でした。

心身がリラックスすると、手足の筋肉が緩みます。これは「手足が重い」という感覚につながっていきます。
さらに筋肉が弛緩すると、血管が広がって血流が良くなり、皮膚の温度が上がって、これが「手足が暖かい」という感覚につながります。
シュルツはこの2つの感覚が、人間の脳に覚醒状態から催眠(深い眠り)状態へと変化をもたらす身体的要因であると考えました。
そして逆に、意識的に手足の重さや温かさを自己暗示することにより、心身の催眠(深い眠り)状態を自発的に作り出せると考えました。

その後何年もかけて自己暗示の方法を研究して、1932年に著書、自律訓練法(Das Autogene Training)を発表しました。
日本においては、1950年代にシュルツの自律訓練法が紹介されました。

自律訓練法とは

自律訓練法とは、自己催眠法であり、リラクゼーション技法です。
ストレス緩和、心身症、神経症などに効果があり、特に入眠困難などの睡眠障害を抱えた方に有効です。
※入眠困難とは、寝床に着いてから30分以上眠りにつけない状態を指します。

このような説明を聞くと、「なんだか重い病気の方の治療方法」というイメージを持ってしまうと思いますが、健康な人にとっても入眠時のリラックス法としてとても有効です。
ぐっすり眠るための「おまじないの様なもの」とお考えください。

具体的な自律訓練法

まず入浴や歯磨きを済ませて、パジャマ・寝具などの睡眠環境を整えて、あとは寝るだけの状態になってから布団に入ります。
その後、

  • 自分の体が寝具の中心に収まっているか?
  • 枕の位置は丁度良いか?
  • 寝具は乱れていないか?などを最終的に確認します。

そして、両足は肩幅ぐらいにゆったりと開いて、両腕は手のひらを下にして胴体から10cm程度離して自然な形にのばします。
次に、以下の言葉をなるべくゆっくりと、大きな呼吸をしながら心の中で唱えていきます。

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もっとも一般的な自律訓練法は、背景公式と第1から第6公式の合計7つの公式で構成されています。

以下の公式を順番に心の中で唱えることによって、心身ともにリラックスした状態へと入って行くことができます。
そして、脳が自然と催眠(深い眠り)状態へと導かれます。

  • 【背景公式】

    気持ちが落ち着いている。
    気持ちがとても落ち着いている。
  • 【第1公式】

    右手の力が抜けて重い。
    右手がとても重い。
    左手の力が抜けて重い。
    左手がとても重い。
    右足の力が抜けて重い。
    右足がとても重い。
    左足の力が抜けて重い。
    左足がとても重い。
    (利き手が左の方は左手から初めてください。)

  • 【第2公式】

    右手が温かい。
    右手がとても暖かい。
    左手が温かい。
    左手がとても暖かい。
    右足が温かい。
    右足がとても暖かい。
    左足が温かい。
    左足がとても暖かい。

  • 【第3公式】

    心臓が静かに打っている。
    心臓がとても静かに打っている。

  • 【第4公式】

    息が楽にできる。
    息がとても楽にできる。

  • 【第5公式】

    お腹が温かい。
    お腹がとても暖かい。

  • 【第6公式】

    額が涼しい。
    額がとても涼しい。

これらの公式を心の中で繰り返し順番に唱え、自己催眠の状態になっていくのです。

まとめ

自律訓練法は、入眠困難を抱えている方はもちろん、寝付きの良い方も含む全ての方にオススメできる入眠時の魔法のルーティーン(決められた習慣)です。
自律訓練法をマスターすると、出張中や旅行中など環境が変わって旅館やホテルで眠れない時や、海外旅行の時差ボケ防止のために飛行機の中で眠る必要がある時などに、自分で脳をコントロールして入眠することができるようになります。

眠りの達人になるためには、眠るためのルーティーンを確立することが大切です。

そして、このルーティーンを守ることが眠りの達人のコツとなります。
皆さんも自分のお気に入りの睡眠ルーティーンをぜひ見つけてください。
自律訓練法は蒲団屋オススメの眠るためのスゴ技です。

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