by 渡部元吾

本当に6時間睡眠で大丈夫?体がよろこぶ適切な睡眠時間とは!

睡眠時間を調べた調査データによると、日本人の約40%は睡眠時間が6時間未満になっていて、働き盛りの成人はほとんどの方が6時間睡眠であると考えられます。
そして皆さん、日中普通に仕事ができているし体調面の不都合もなにも感じないので、私の体は6時間睡眠で大丈夫であると判断している方が多いようです。

しかし、この6時間睡眠には大きな落とし穴があります。

睡眠時間と認知能力の関係

睡眠時間と人間の注意力の関係を調べた実験があります。

被験者を

  • 3日間徹夜をするグループ
  • 2週間の実験の間1日に4時間眠るグループ
  • 6時間眠るグループ
  • 8時間眠るグループ

に分けます。そして、決められた時間以上は眠らないようにし毎日認知能力判定テストを実施して、睡眠時間と脳の働きの関係を調べるという実験です。

この実験結果は、1日に8時間眠るグループは2週間経ってもあまり認知能力テストの結果に変化はありませんが、4時間眠るグループ、6時間眠るグループは日を追うごとに認知能力テストの結果が悪くなりました。
もちろん、6時間のグループよりも4時間、4時間のグループよりも徹夜のグループの順番に認知能力の低下が著しくなっています。
このデータによると、6時間睡眠を1週間続けると1日徹夜したグループと同じくらい、6時間睡眠を2週間続けると2日徹夜をしたグループと同程度に、認知能力が低下していました。

睡眠時間が短くなると、認知能力テストの結果が悪くなることは容易に想像できますが、この実験で大きな発見がありました。
4時間眠るグループが、日をを追うごとに確実に睡眠不足を感じて言ったのに対して、6時間眠るグループはさほど睡眠不足を感じなかったというのです。
6時間睡眠で日々を過ごすと認知能力は確実に低下していくのに、本人は低下しているとは思わなかったというのです。
そして問題なのは、眠気を感じないということは、睡眠時間は6時間で充分であると体が判断してしまって、習慣になってしまいやすいということです。

働き盛りの日本人の多くは6時間睡眠ですから、それは、なんとなく6時間睡眠のサイクルが定着してしまって、脳の働きは徹夜をした時の脳の状態になっている危険性があるのです。
そして本人は気付いていないだけで、仕事のパフォーマンスが低下している、本来の能力が発揮されていないということなのです。

睡眠不足運転と飲酒運転

睡眠不足運転=飲酒運転

飲酒運転は命に関わる大変危険な行為ですが、実は睡眠不足の状態で車の運転や仕事や作業をするということは、飲酒をしてそれらを行うことと同じになります。

私たちが、一日の生活の中でしっかりと覚醒して仕事ができるのは12〜13時間程度です。
連続して15時間以上起きている脳の状態は、酒気帯びの状態の脳の能力と同程度になることが知られています。
*日本における酒気帯びとは、血中アルコール濃度が0.03パーセント以上のことです。

覚醒時間が17時間になると血中アルコール濃度が0.05パーセントの脳の状態と同程度に認知・精神・運動・作業能力が低下します。
一晩徹夜をした場合は、血中アルコール濃度が0.1パーセントの脳の状態と同程度になります。これはビール大瓶1本を飲んだ状態に相当します。

飲酒運転は法律で禁止されていますので、悪いことである、してはいけないと認識されやすいのですが、睡眠不足運転にはどうしても罪悪感を感じにくいというのが本音でしょうか。
しかし、寝不足運転が原因であろうと思われる事故が多発しています。

特に6時間睡眠の方は睡眠不足を感じにくいため、脳や体の働きが本来よりも低下していることに、本人がまったく気付いていない可能性があります。
睡眠不足の状態で車を運転したり仕事をしたりすることは、大きなミスや事故に繋がりかねないことをよく理解してください。

睡眠負債の返済

睡眠とは悲しいかな寝だめができません。
寝だめはできませんが、寝不足は私たちの体にどんどん溜まっていってしまいます。
貯金はできないのに負債はどんどん増えてしまうというのが睡眠の特徴なのです。

この睡眠負債が溜まっていくと、私たちの健康や脳の働きに大きな弊害をもたらしてしまいます。
しかし、睡眠負債を返済すると気分がすっきりして脳の働きが向上して、体の動きも良くなり、仕事や作業の効率がアップします。
ぜひ睡眠負債を返済して本来の自分の能力を取り戻してください。

昼寝のススメ

私たちの脳の視床下部には体内時計の働きが備えられています。
この体内時計は私たちの睡眠や覚醒など、様々な生体リズムをコントロールしています。
この生体リズムの中に眠気のリズムがあります。
この眠気のリズムは夜中の2時〜4時に非常に強くなりますが、午後の2時から4時にも強くなります。
睡眠負債を返済するほど長く充分な睡眠時間が取れないという方は、ぜひこの午後2時頃の眠気を利用して昼寝をすることをオススメいたします。

20分〜30分の昼寝は眠気の解消だけでなく、脳や体の働きを大きくアップさせることが知られています。
昼食後の休憩時間を利用して、脳を休ませるようにしてください。
午後からの仕事の効率が大きく変わることでしょう。

午後の仮眠で頭スッキリ

睡眠十箇条

短くても質の良い睡眠をとりましょう。

そのためには眠ってから最初の3時間が重要です。この時間帯には成長ホルモンが分泌されます。
成長ホルモンは子供の脳や体の成長に関わるだけでなく、大人にとっても新陳代謝を高めたり、日中の活動により損傷した人体の細胞組織を修復することにより疲労を回復してくれます。
そのため、眠り始めてからの3時間は特に睡眠を妨げられることがないようにしてください 。
室温や騒音対策、寝具などの睡眠環境に細心の心配りをしてからお休み下さい。

また、質の良い睡眠をとるためには以下のような睡眠十箇条に気をつけてください。

  1. 起床時には窓のカーテンなどを開けてしっかりと陽の光を浴びる。
    人間の体内時計は1日が約24.5時間になっています。日の光を浴びることによって24時間に正しくリセットされ睡眠と覚醒のリズムが整います。
  2. 仕事が休みの日も起床時刻は一定にする。
    睡眠時間の乱れは生体リズムの乱れへと繋がります。休日もできるだけ平日と同じ睡眠サイクルを保ってください。
  3. 毎日規則正しく朝食をとる。
    同じ時刻に朝食をとることで脳と体が活性化され生体リズムが整います。
  4. 日中はしっかりと体を動かす。
    体や脳を疲れさせることが良い眠りに繋がります。
  5. 夕方以降はカフェインを含むものを飲まない。
    カフェインには脳を覚醒させる作用があります。人体におけるカフェインの半減期は5〜8時間、半減期とは摂取後8時間が過ぎた後でもカフェインの半分は体内に残っていて、まだ脳に作用しているという意味です。
    →【カフェイン】に関するブログはこちら
  6. ぬるめのお風呂にゆっくり入る
    睡眠と体温の変化には密接な関係があります。40℃程度の高すぎない湯温で入浴すると、精神的なリラックス効果に加え末梢血管の拡張と放熱の活発化による体温の低下のために、深く眠ることができます。
    →【入浴の効用について】はこちらのブログ内

  7. 寝酒・寝タバコは避ける。
    ニコチンの強い覚醒作用とアルコールを分解するための体への負担は睡眠の妨げとなります。
  8. 夜間、特に寝る前にはパソコンやスマートフォンは使用しない。
    電子機器の画面から出るブルーライトを見ると、眠気を促すホルモン(メラトニン)の分泌量が減ってしまいます。
    →睡眠ホルモン【メラトニン】のブログはこちら

  9. 睡眠環境を整える。
    寝室の温度や湿度、明かり、騒音、快適に眠れる寝具などに心配りが必要です。

    →快適に眠れる【ベッド】【マット】はこちら
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  10. 睡眠に関する悩みを抱え込まないで、専門家に相談しましょう。
    眠れない、昼間に異常な眠気がある場合など、体や心の病の可能性があります。専門家の睡眠習慣に関するアドバイス等が大きな効果を発揮します。身近な医師や看護師、薬剤師などにまず相談することが大切です。

厚生労働省の健康づくりのための睡眠指針2014もぜひ参考にしてください。

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  • コーヒーのカフェインに要注意
  • スマホのブルーライトに要注意

まとめ

6時間睡眠でなんとなく満足している方、体調不良で日々辛い思いをしている方、日々の生活を見つめ直してあと1時間多く眠ってみて下さい。
ちょっとした工夫で時間は作れると思います。何よりも優先させるべきものは睡眠です。

この1時間の睡眠が日中の活動量や作業効率をアップさせて、見違えるような充実した人生を私たちに与えてくれることでしょう。

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