by 渡部元吾
失敗しない為のいびき対策!テレビに惑わされない、わが家の睡眠計画
目次
先日、NHKの番組でいびき対策としてテニスボールを背中に縛り付けて、横を向いて寝ることを薦めていました。
横を向くと確かにいびきは止まります。そのため、仰向けに寝ることを防止しようと背中にテニスボールを付けるのです。
しかしこの方法では、寝返りが打ちづらく背中も痛くて安眠することはできません。
今回は蒲団屋お勧めのいびき対策をご紹介します。
まず、いびきをよく理解していただくために説明いたします。
いびきの仕組み
睡眠中私たちの体は、ダラーンと力が抜けて筋肉の緊張が緩んでいます。
息を吸ったり吐いたりするときの空気の通り道、気道の気道壁(喉の筋肉)も緊張が緩んでいます。
そして、仰向けに寝ると重力の影響を受けて舌の付け根(舌根部)や喉の奥の軟口蓋が下がり、気道が狭くなってしまいます。
気道が狭くなると空気抵抗が大きくなり軟口蓋が振動します。
この軟口蓋が震えることで大きな音(いびき)が出てしまうのです。
それでも健康な人では、仰向けに寝ても気道は正常に確保されて、スムーズにいびきをかくことなく呼吸できます。
しかし、以下のような気道を狭くする要因が加わると、軟口蓋が震えて大きないびきが出るのです。
肥満
太るというと、見た目の体型や体重を気にする方がほとんどだと思いますが、体の内部につく脂肪の危険性にも注目しなければなりません。
太るということは、喉の内部にも脂肪がついてしまって、気道が狭くなってしまうのです。
やはり健康のために肥満は避けなければなりません。
加齢
年を重ねるにしたがって、私たちの筋肉は衰えていきます。喉の筋肉も同じです。
そのため、仰向けに寝た時に若い時よりも舌根部や軟口蓋が下がりやすく気道を狭くしてしまいます。
喉の筋肉を鍛える方法はないのですが、後でご説明する「あいうべ体操」は効果が認められています。
先天的に扁桃や口蓋垂が大きい
「扁桃腺が腫れて熱が出る。」とか「扁桃腺が腫れやすい体質なんです。」などとよく耳にしますが、扁桃には3種類あります。
- 咽頭扁桃
鼻腔の奥の方に位置する器官です。 - 口蓋扁桃
喉の奥の方にあって口蓋垂(のどちんこ)が垂れ下がっています。 - 舌扁桃
舌の奥の方に位置する器官です。
どの扁桃も先天的に肥大していると、気道を狭める原因になります。
また、口蓋垂が長すぎる方も空気の流れにとっては邪魔になります。
扁桃が病的に大きすぎる場合は、外科手術が必要になる方もいらっしゃいます。
鼻呼吸ではなく口呼吸になっている
アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、花粉症などもいびきの原因となります。
鼻づまりなどのせいで鼻の通りが悪くなると、鼻呼吸ではなく口呼吸になります。これも気道が狭くなる原因の一つです。
眠っている時に呼吸をするために口を開けていると、口を閉じている時よりも喉の筋肉が緩んで、舌が喉の奥に落ち込みやすいのです。
鼻腔を広げるブリーズテープや、口を閉じるための口テープなどを貼って寝ることを試してみてください。
お酒や睡眠薬の影響
お酒には筋肉の緊張を解きほぐす作用があります、そのため喉の筋肉も緩んでしまいます。
体中の血流も良くなりますので、喉の奥にある3種類の扁桃も大きくなってしまいます。
お酒は気道を狭くしてしまうのです。
いびきにとっても眠りの質にとっても、寝酒は良くありません。
お酒も食事と同じように、眠りにつく3時間前までには切り上げるようにしましょう。
睡眠薬も筋肉を弛緩させる作用があるものが多く、気道を狭くしますので要注意です。
疲れ・ストレス
疲れやストレスにより自律神経の働きは乱れます。
自律神経は自発呼吸を司どっています。乱れると間違った指令を出し、鼻呼吸ではなく口呼吸になってしまいます。
また、私たちの脳は疲労やストレスを回復させるために、代謝活動を活発にして酸素を多く取り込もうとします。そのために脳も口呼吸の指令を出します。
そして、口を開けることによって喉の筋肉が緩みいびきが出るのです。
これでは安眠が妨げられて、疲れ・ストレスが解消されないという悪循環に陥ってしまいます。疲れ・ストレスは溜め込まないことが肝心です。
あいうべ体操とは
口の周りや舌根の筋肉を鍛えるための口の体操です。口を動かす筋肉に張りを持たせることにより、睡眠中もしっかりと口を閉じることができるようになります。
そして、自然と口呼吸が鼻呼吸へと改善されるのです。
- 「あー」と口を大きくしっかりと開きます。
- 「いー」と口を大きくしっかりと横に広げます。
- 「うー」と口を強く前へと突き出します。
- 「べー」と舌を出して強く下へと伸ばします。
1から4を1セットとし、1日30セットを目安に毎日続けてください。
入浴時や就寝前がお薦めです。
顎に痛みのある方は痛みが出ないように回数を減らしたり、「いー」と「うー」のみを繰り返してください。
「いう体操」は顎の関節に負担をかけないため、痛みは出ません。
横を向いて寝るといびきは止まりますが・・・
確かに仰向け寝ではなく横向きに寝ると、ピタリといびきは止まります。
舌の付け根や軟口蓋が横に少し移動するだけで、気道を塞がないからです。
そのため、横を向いて寝る方法として以下の様な事がよく紹介されています。
ストッキングの中にテニスボールを入れて動かないようにし、それを背中に縛り付けて寝る方法
仰向けになると背中が痛いため必然的に横向きに寝るようになる、という考え方です。
大きなU字型の枕を使う方法
U字型の枕の間に横を向けた体を挟み込んで、寝動きを止めることによって横寝を維持しようという考え方です。
抱き枕を使って横寝をする方法
抱き枕を使うと、横寝をしても体圧が分散されて体が楽だから仰向けにならないだろう、と言う考え方です。
ずっと横を向いて寝るのは不可能です
人は生理現象として必ず寝返りを打ちます。
1日の活動により歪みが生じた骨格を、ねじることによって正しい骨格の形に矯正するためです。
また、ずっと同じ体勢で寝ていると敷寝具と接触している皮膚は呼吸できません。
血流も滞って皮膚がうっ血してしまいます。皮膚呼吸や血流を確保し自分の体を守るためにも寝返りを打ちます。
つまり、ずっと横を向いて寝ることは体にとって大きな負担になり、安眠の妨げになる寝姿勢なのです。
人間にとって、ずっと横を向いて寝るのは不可能な事なのです。
松山 蒲団屋がオススメするいびき対策
皆さんは救命救急(人工呼吸)法の講習会に参加したことがありますか?
学校や職場・公民館などでよく開催されていると思います。
人工呼吸の練習をする時に、ダミー人形の顎を上げて息を吹き込むことはよく知られています。
これはもちろん、意識のない人の気道を確保して人工呼吸をするためです。
蒲団屋ではいびき対策として、この人工呼吸の気道確保の方法をお薦めしています。
仰向け寝の正しい寝姿勢である顔の位置と角度よりも少し顎を上げ気味にして寝るのです。
この方法で寝ると、顎が下がり気味で喉が詰まった状態よりも気道が広がり、軟口蓋が震えていびきが出る確率が低くなります。
もちろん、仰向け寝ですから横向き寝よりも体圧が分散され体がとても楽でしっかり安眠できます。
そのためには、敷き寝具の硬さと体形に合わせて正確に枕の高さを調整することが重要になります。
なおかつ、寝返りが打ちやすい枕であるということも質の良い睡眠をとるために大切です。
「大きないびきをかくのが悩みなんです。」とおっしゃるたくさんのお客様が、蒲団屋オリジナルオーダーメイド4部屋枕をつくるために来店されます。松山市内だけでなく宇和島・八幡浜・新居浜・西条など、愛媛県内各地からご来店いただいています。本当にありがとうございます。
いびきにお悩みのお客様に対してはもちろん、通常の枕調整よりも顎が上がり気味になるように調整するのですが「ピタリといびきが止まりました。」と言うお客様が何人もいらっしゃいます。
いびきが出る方は苦しくない、違和感は感じない程度に顎を上げて眠ることをぜひお試しください。
そして蒲団屋では、いびきが出る方の正しい寝姿勢とは、やはり体が一番楽な仰向け寝であると考えます。
ご家族の皆さまへ
同じお部屋で仲良くお休みになっている奥様にとって、隣で眠るご主人様のいびきは気になると思います。
睡眠の妨げになり熟睡できない方も多いでしょう。
横を向いて寝るといびきが止まるため、夜中にご主人様を起こして横を向かせる方もいらっしゃいます。
しかし、ご主人様にとっては軟口蓋が震えていびきが出ていても、まとまって理想の7時間睡眠をとることの方が重要です。
気道の壁が息で吸い寄せられて閉じてしまい、無呼吸になるほど重症のいびきもあります。
この場合は病院での治療が必要ですが、あまり心配する必要はないいびきも多くあります。
なるべく、わざわざ起こさないで下さい 。
人の呼吸は眠り始めは口呼吸で、次第に鼻呼吸へと移るようになっています。
ご主人様のいびきが、寝入りばなだけ出るようであれば何の問題もありません。
いびきを気にするよりも快眠できているかどうか?に目を向けてください 。
どうしてもご主人様のいびきが気になるという方は、寝室を別々にすることも、質の良い睡眠をとるためには致し方のないことと思われます。
いずれにしても、寝室環境やライフスタイル、気になる健康問題など、ぜひ一度蒲団屋にご相談ください。
微力ながら、お客様の悩みを解決するお手伝いをさせて頂きたいと、日々たゆまぬ研鑽を積み重ね努力につとめています。
→電動ベッドの使用方法内の記事【上半身に角度をつけて寝る】もいびき対策にオススメです。
→いびき対策にオススメの【蒲団屋オリジナル オーダーメイド4部屋枕】はこちら
→蒲団屋オリジナル オーダーメイド枕の【高さ調整方法】に関する詳しい説明はこちら
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